急患は待つのが当たり前…ですか?

歯医者さんの一服『急患は待つのが当たり前では?』という記事を読ませていただきました。

すごーく、本当によくわかります。書かれている内容にも頷けるところが大きいです。ただ、その気持ちは自分が医療従事者であるという立場からの話。

自分が患者であったらどうでしょう?自分のことならまぁともかく、自分の子供が急に口の中が痛いと言い泣き出したら…?かかりつけの医院が予約制であることはわかっていても、先生にすがりたくなる気持ちってあると思うのです。そして、泣きじゃくる子供をあやしつつ不安な気持ちのまま医院に電話をかけたら、受付の人から『今日はいっぱいです。待ちますよ?それでもいいなら診ますが…。』なんて言われたら本当に泣きたくなりますよ。

まぁちょっと例えが極端であったかもしれませんし、冒頭でご紹介した先生のところの受付さんは、こんな対応はされていないと思いますが…。

やっぱり…。
『急患は待つのが当たり前』と、声を大にして患者に理解を求めるのは私はあまり賛成できないかなぁ…と、思ってしまいました。ご予約の患者様がいらっしゃるので『待ちます』という事実を伝えるのは大事なのだけど、それを医療従事者側が上から目線で伝えても気持ちは患者さんに伝わらないんですよね…。


先日行ったセミナーで、接遇(言葉遣い)の話があり、急患の電話への対応について話されていました。

もちろん、言葉遣いも大事であると講師の先生はおっしゃっていましたが、それ以上に『それを伝えるあなた(医療従事者側)の気持ちが言葉に現れているかということが大事』だと。

極端に言えば、完璧な敬語であっても、患者さんはお怒りになることもあるし、フランクな言葉を遣ってしまったとしても、そこに誠意が感じられればOKなこともある。

忙しいと、どうしても『無理だ。今は診られない。』ということをまず言ってしまいそうになりますが…。まず、お痛みで急いで診て欲しいという患者さんの欲求を心の中で頭から否定するようなことだけはしないようにしようと思います。

『それはお困りですよね?』『お母様も大変ですね?』『急なことではビックリされましたよね?』この一言が先にあるだけで救われる気持ちになることがあるのですよ。外傷(怪我)は別ですが、急に歯が痛くなったお子さんというのは、多くはずっと前から放置した虫歯があったりするものです。歯科医院側としては実は『放っておいた親がいけないんでしょう。もっと早く来ていれば…。』と思うものですが、そこはぐっと我慢して、その瞬間の相手の気持ちを考えるのも大事なのかなぁ…なんて。


非常に偉そうで、非常にいい人っぽい戯言ですが…。こうありたいという思いを書かせていただきました。