Forget-me-not 背伸びしたい年頃の思い出話

尾崎豊さん。死後の騒がれ方や、そのカリスマ性がものすごくて、ずっと、自分の思い出と重ねるには大げさになり過ぎてしまう気がしていました…。

先日、実家で兄の部屋に並ぶ尾崎のCDを見ていたらいろいろなことを思い出しました。

中学生の頃の話です。
夢中になっていた部活を引退すると、放課後時間ができました。後輩の練習に付き合ったりすることも多かったのですが、休みなく毎日練習をしていた頃とは比べ物にならないくらい『暇』になったわけです。

その頃、家に知らないおじさん(母の彼)が出入りするようになっていたこともあって、家に帰るのが嫌で、バレー部の友人の家か、クラスの友達の家で勉強をすることが多くなっていました。

バレー部の友人の家は、元気なお母さんがいつもみんなの話を聞いてくれて、よく食事までご馳走になっていました。本当に居心地が良い安らげる場所でした。バレー部で、一緒に辛い練習をしてきた仲間ですから、気心も知れているしお互いに信頼し合えているという確信もありました。でも、彼女達と私の間には見えない壁がいつもありました。

と、いうのも…
…私は、自分で言うのもどうかと思いますが(笑)優等生タイプ。勉強もそこそこだし、所謂悪いこと(タバコとかお酒とか)には全く興味なし…というか、どちらかといえば嫌悪感を抱いていました。だけど、信頼していた仲間達は部活から解放されると、どんどん悪くなっていきます。みんなで集まると、普通にタバコ吸うしね。最初のうちは、『そういうのってどうなのよ?』と意見していたのですけど、それを止め続けるほどの正義感もなく、流されて自分も…となる程の度胸もなく。自分は自分。あなたはあなた。そんな冷めた考え方をするようになっていました。

卒業間近のある日、別の友人の家(その子の家には鍵のかかる自分の部屋がある)に集まって、付き合っている彼がいる人はその人に連絡をして呼ぼう、付き合ってなくても好きな人がいれば電話をしようということになったんです。タバコの煙が充満した部屋の床にはビールの缶が散乱。明らかに酔った状態の中学生が、男の子を電話で呼んで…という展開ですよ。ある意味、これが青春か??

前にも書きましたが、当時心の傷もあり、男の子と付き合うっていうイメージがちっとも夢のある方向に行かず、悩んでいた頃だったし、『誰に電話する?』って聞かれても、こんな場所に呼びたくなかったから、心の奥で本当に好きだった人の名前は言えませんでした。…じれた友人が、私が好きな人を全然違う人だと誤解する始末。友達が勝手に電話をしたのですが、幸い本人は留守。その後、いくら否定しても友人達は私の好きな人を勘違いし続けたわけですな(笑)


その少し後の卒業式の日。最悪なことに、バレー部の後輩が先輩のために!と、わざわざご丁寧に第2ボタン(!)と、帽子と名札までその人からもらってきまして…。その彼、きっと『は?』という感じだっただろうなぁ〜。多分、それが私の手に渡ったことすら知らないんじゃないかな(笑)

ん?で、尾崎豊の曲とどう繋がるかと申しますとですねー。

その”タバコとビールで彼氏呼ぼう!(笑)”の日、友人の部屋でかかっていたのが尾崎です。その友人がForget-me-notという曲が大好きで、何度もリピートでかけていたのが記憶に残っています。

ちょっと背伸びしたい年頃に、ばっちりはまった尾崎。
私の、心の中のいろんな葛藤を思い起こさせる、とてつもなく切ない歌ですよ。