ブームが来た!馬の歯を磨くはぶらし?

私たちの日々の業務の中には『歯磨き指導』というものがあります。若い頃には目上の方に『指導』をするということが難しく、『こんな娘みたいな女に教えられたって…。』と、聞き入れてもらえないのではないかという不安ばかりでした。

失敗談もたくさんありますが、最近はもう(年もとったし?)不安に思う機会が減ってきました。指導しようと思うから不安だし緊張するんです。先輩の衛生士から指導じゃなくて『おしゃべり』と『助言』だと思えと言われ、随分と気が楽になったのを覚えています。

歯医者で指導を受けられた経験のある方でしたらおわかりになると思いますが、基本的に歯医者は小さな歯ブラシを勧めたがります。隅々まで磨けるから。お口の小さな女性や歯列が乱れている方などには当然のように小さな歯ブラシをお勧めしています。

でも、ここ最近、少し前では信じられないくらい大きな歯ブラシが大手メーカーから発売されました。初めてデンタルショーで見た時には同僚たちと大笑いしました。大きな歯ブラシに見慣れていなかったんですね。

まず、サンプルをご入院患者さんの口腔ケアに使用してみました。面積が広いので効率よく清掃ができ、なかなかいい!次に、同僚が何度指導しても歯垢べったりで来院される60代の男性におすすめしてみました。すると、『こりゃいい!』と、その男性が初めて指導に食いついてくれたというのです。そして次の来院時にはピカピカに磨いてきたのです。

上司は最初『おいおい、馬の歯磨くんじゃないんだから…。』と、聞く耳をもちませんでしたが、私たちの盛り上がりを見て、即導入を決定してくれました。

こういうインパクトのある商品は、マンネリになったブラッシング指導にいいスパイスとして働いてくれますね。ご老人の口コミってすごくて、この歯ブラシ、今やご老人の中で大人気なんですよ。(笑)安くないのになぁ…。


思うんですよね…。教科書で勉強したことを忠実にやろうとしたら臨床では絶対に行き詰まってしまう。だって、人間相手の仕事なんですもん。だから面白いんだけど。


ちなみに…、その歯ブラシこんなものです。
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