人前で泣きますか?

昨日、娘と2人で『パコと魔法の絵本』を観に行ったのですが、とにかくいろんな場面で涙が出ました。目頭が熱くなるを通り越して涙がこぼれるのです。

10代から20代前半の頃などは、どんなに感動的な映画でもドラマでも本でも、涙がこぼれるほど泣くっていうことは皆無だったのに。むしろ、感動させようとしているなあと感じると逆に冷めてしまったりするタイプでした。ましてや、人前で泣くことってほとんどなかったように思います。

幼少期も、ほとんど泣かない子だったようです。兄からよく言われていたのですが、父親が亡くなった時でさえ遺体を前にキッと口を結んで、じっと床を見つめていたそうですから。その後葬儀の日に近所のおばさんが泣きじゃくりながら小学4年の私に『お母さんを助けてあげるんだよ。』と言った時、堰を切ったように涙が出てきたのを覚えています。

何かの本で読んだのですが、幼少期に厳しく育てられた子供はあまり泣かない…要するに感情を抑制することに慣れてしまっているのだそうですね。私は、もしかしたらそのタイプだったのかもしれません。

脱線しましたが、現在37歳になり、その頃とは感情の波が違ってきています。

人間は、いろいろな経験をすることで心が成長します。経験の引き出しが多くなると他人の気持を推し測ることがしやすくなるということなのでしょうかね。涙もろくなる理由を『大脳皮質の老化が原因である』とはっきり説明しているお医者さんもいるそうなので、まあ、単に老化…ということもあるのでしょうけどね。

以下、ほんの一場面ですが映画のネタばれありです。





パコと魔法の絵本の中で、偏屈オヤジである大貫が感情を抑えきれずに涙を流すシーンで主治医にこう尋ねます。

『先生、涙はどうすれば止まるんだ?あんた医者だろ、医者なら教えてくれ!』

主治医はこう答えます。

「簡単です。いっぱい泣けば止まります。」


涙と一緒に、溜め込んだストレスって出て行くんだそうですよ。

思いました。

この歳になり、我慢せず泣きたいときに泣ける人間になれてよかったなぁ…ってね。