1歳のあの日

もう7年も前の話です。

娘は、1歳になったばかりの時にある手術を受けました。

入院は2週間。何ヶ月も前から予定されていた手術ではありましたが、まだこの世に生まれてきてからたった1年しか経っていない我が子が、全身麻酔下で手術を受けるなんて…。
うまく気持ちの整理もつかないまま、その日がやってきてしまいました。

手術の日、オットと2人で手術室前の静かな待合室で待つ時間は本当に長くて、私達の周りだけ時間が止まってしまって永遠に待つことになるんじゃないかと思いました。持って行った小説の同じページを何度読んでも内容が頭に入ってこなくて、やたらと喉がかわいて…。

手術終了の予定時刻を過ぎても出てこないと、考えるのはよくないことばかり。

手術開始から3時間半後に娘は小さな子供用のストレッチャーにうつ伏せにされて出てきました。その顔は赤黒く、随分と腫れ上がっているように見えました。…一瞬血の気が引きました。


『無事に終わりましたよ、お母さん安心して。』目の前に立つ執刀医のその言葉がすごく遠くから聞こえてきました。隣にいたオットが私の肩に手を置いたらスイッチが入ってしまって、涙が止まらなくなりました。

後から聞けば、この手術の場合は術後の窒息を防ぐためにうつ伏せだったとのこと。顔の腫れも一時的なものだったので、全然心配いらなかったようなのですが…ね。

その後、順調に回復して2週間後には元気に退院できました。

あれから7年。大きな病気も怪我もなく娘は小学2年生です。


どうして今、こんなこと思い出しているかというと…。最近の娘、とっても生意気ですごーく憎たらしいことが多いんですよ。衝突することもしばしば。


1歳のあの日、
かけがえのない命を守りたいと強く思った気持ち。
入院中、暗い病室で泣き喚く娘を置いて帰らなければならなかった時のあのせつなさ。
あの時のいろんな気持ち、忘れないで子供に向き合おう!なんて思ったわけです。



やっぱりね、
あなたのお母さんになれてよかったです。