ヌメ革のバッグ

実家が革製品の仕事をしていた影響か、私は若い頃から革のバッグを好んで持ちました。幼い頃の記憶にあるのですが、母親とデパートに出かけると、バッグ売り場で母が『これはホンガワじゃないわ…。ゴウヒ、ゴウヒ。』と、言っては品定めをしていました。その時は意味がよくわかりませんでしたが、後日母が教えてくれました。『本皮は本物。合皮は偽者だから買っちゃダメ。』ってね。なんだか、今考えれば間違えているような気もします。だって、合皮バッグも今はいい素材出ているし、現に私も軽さやお手ごろな価格設定やデザインの豊富さから、合皮を選ぶことがあります。

でも、合皮のバッグを持って実家に行こうものなら、母の猛攻撃に遭います。(笑)『なにこの安っぽい合皮は…。』はいはい、わかりましたわかりました。


周りの友人がブランドバッグを持っていても、なんとなくそれには興味が持てない時期がありました。例えば、プラダが流行っていた頃、どうしてナイロンのバッグがこんなに高いの?ヴィトン(モノグラム)だって部分的にいいヌメ革使っているけれど、大部分はビニールでしょ?そんなことを思っていました。結局私は母の刷り込みにいい具合に染まってしまっていたのですね。

そして、月日が経って今の私はブランドバッグにも程々に興味があり、時にはおねだりもしてみますが、基本的に自分でお金を貯めていいものを買いたいと思う時にはヌメ革のバッグを買っています。上の写真のバッグは、最近手に入れたヌメ革です。まだ日光浴中。もうすぐデビューできそうです。

こちらは、数年前に買ったロールボストンの色の変化です。左の写真は購入時の状態(ショップの写真)です。そして右の写真が同じバッグを数年間使ったもの。私の所持品です。多分、私のこれからの人生の中で、どんどん変化していくんですよね。深く深く。

手に入れたばかりの時には絶対に味わえない素敵な姿に変わっていく。ゆっくり…ゆっくり…カチカチだった革が滑らかでしっとりと。しかも持っている人の愛し方によって自在な変化をしていくんです。ブランドの限定物バッグよりも…ものすごいレア物だと思っています。


レア者になりたい、今日この頃です。