森光子さん『あいつよりうまいはずだがなぜ売れぬ』

森光子さんの89歳の誕生日の日に放浪記2000回記念…という映像をテレビで観ました。舞台に立つ姿は、恐ろしく若く見えて、本当に人間なのかしら(失礼…)と、思ってしまうものだったけれど、楽屋入りする時の様子を見ていたら、やはりそれなりに背中が丸まっていて、おばあちゃんなのだ…と、気付かされました。

先日会いにいった私の祖母と同じくらいの年齢です。そうか、そうなのか…。

人間の老いについてはいろいろな思いが渦巻きます。森さんご本人の努力も想像を絶するものがあるのでしょうが、周囲の支えも大きいですよね。年齢を超越するには、どこまで一人で頑張れるか?じゃなくて、どれだけの人に支えてもらえるか?…なのかな。

あいつより
うまいはずだが
なぜ売れぬ

若い時は良い役がつかずこういう川柳を作ったのですって。その話の後に森さんが『これからはまじめに、表現のできる女優になりたい。』と、おっしゃっていました。

こういう妬みの気持ちを表に出せるようになるって、悟った人しかできないと思うのですよ。

人生の厚みがあり過ぎて、うまく想像できない森光子さんの私生活だけれど、いつでも確実に前を向いているのでしょう。かっこいいですね。