本の好み

『ねえ、電車の中で読みたいから、なんか小説貸してくれない?』

オットが珍しいことを口にしました。

全く本の好みが合わないので、結婚前からその点は歩み寄ることがなくきたのですけど。

時々オットは、自分が好きな織田信長の話とか、北朝鮮の話とか、落合信彦の本の話を一方的にしてきますが、全く興味がわかない私はまるで歴史の講義を聞いているような状態。逆に、私が面白かった小説の話をしても、きもちわるいとか何が面白いのかわかんないとか言って、お互いを批判し合います。

…まあ、この価値観の相違もまた楽しいわけですが。


さてさて。じゃあどの小説を貸そうか。

深夜のリビングで、本屋さんを広げて考えます。うーん、村上春樹は多分良さがわかんないだろうなー…ていうか大切だから貸したくない、三島由紀夫はちょっと嫌いなタイプかもね…、太宰治は暗すぎる?、吉本ばななはオジサンが電車で読んでたらちょっとねえ…、柳美里はブルーになり過ぎたら困る…、川上弘美は怖い夢みちゃうからなぁ…、小川洋子は意味わかんないでしょ?、オットに勧められる本なんてないよ。

仕方がないので、昔ドラマ化もされてたし、読みやすいかなあと思って山崎豊子白い巨塔を貸すことに決め、『これにしなよ』と手渡すと『えー…こんなに長い話やだよ。登場人物覚えていられないし…』だって。

やっぱり、あなたに貸せる本は私の本棚にはありませんことよ。