『意味がなければスイングはない』村上春樹

本屋で平置きになっていて、ムラカミハルキという名前に条件反射!で購入してしまいましたです。こういう時は迷いはありません。この本、小説ではなく村上氏が思い入れのある音楽について書かれたエッセイです。エッセイでも、村上春樹氏の書く文章にはやっぱり惹かれるものがあります。頭の中で言葉たちが繋がって、ゆるゆるとした空間を作ってくれるみたいな…心地よさ。

ところで。『村上春樹氏と音楽』と言えばジャズなんだろうなぁ…と思っていたのですが、ジャズばかりではなく、意外にも、とり上げられている11人の中の1人にスガシカオさんがいました。J-Popの中で村上氏が唯一お金を払ってCDを買って聴くアーティストなのだとか。

スガシカオさんは、確かに独特な歌詞の世界がありますけども、村上氏にかかるとものすごく深くてものすごく特別な人のようになりますね。私は残念ながらスガシカオさんに思い入れもなく、こうして日記に書く時にもスガスカオとタイプミスしちゃうくらい…興味がなかった(失礼)ので、至極客観的に読みましたけど、これが斉藤和義さんだったり桜井和寿さんだったりしたらきっとすごくテンション上がったんだろうなぁ…と、思います。


好きな人が好きなもの。私も昔からそれが好き。あ、一緒だ。

こんなシチュエーションってテンション上がるでしょ。


好きな人が好きなもの。今まで興味はなかったけれど。突然気になる存在になるんです。

スガシカオさん、YouTubeで聴いてみよ。
単純です。

僕らは結局のところ、血肉ある個人的記憶を燃料として、世界を生きている。もし記憶のぬくもりというものがなかったとしたら、太陽系第三惑星上における我々の人生はおそらく、耐え難いまでに寒々しいものになっているはずだ。だからこそおそらく僕らは恋をするのだし、ときとして、まるで恋をするように音楽を聴くのだ。

シューベルトについて書かれた章のからの引用です。
そう、恋をするように音楽を聴くのです!

意味がなければスイングはない (文春文庫)

意味がなければスイングはない (文春文庫)